​入野田泰彦法律事務所

複雑怪奇な欧州情勢の中での船出となったUPCは、想定以上の成功を収めつつある一方、未解決の問題も多い。それは、UPC自らによる公刊物や、著名事務所によって公にされる記事などを通じて、その表面的な情報は得られるが、肝心な情報は表には出ないし、ドイツ特許訴訟弁護士と云えども、知らない、或いは問題の所在を理解していないケースが多い。

既存のドイツ特許訴訟の実務上の問題を克服しようと奮闘するUPCの幹部裁判官たちの英知による解決が図られているところであるが、そこでは、欧州諸国に対して説得力が求められると同時に、米国等の特許訴訟国に対してもルールとして通用できることが求められている。知財はもはやグローバル且つローカルなために、訴訟においても比較法の視座が不可欠である。

マックスプランク修士課程への留学期間を含め、欧州在住14年で培ったドイツ・英国の人脈及び経験に基づき、且つ、日本国内で最も優れた特許訴訟の担い手の専門家とも日ごろから意見交換を通じて、欧州情勢の推移と実務へのナビゲーター（水先案内人）として、企業のinnovationに奉仕する。